【事業報告】2015年度 日本語ボランティア講座《ブラッシュアップ》
ブラッシュアップ講座
中区に住む外国人の日本語学習をサポートしているボランティアのための研修講座を開催しました。今年度は「コミュニケーションのための日本語文法」をテーマに、コミュニケーションに本当に必要な文法とは何か、また、学習者の方にどう伝えるかについて4回にわたり、講師にご講義いただき、日々の教室活動へのヒントやコツを学びました。
第1弾「コミュニケーションのための日本語文法1」(2日間コース)
日時: 2015年6月 6日(日) 10:00~12:00 6月13日(日) 10:00~12:00 講師: 岩田一成氏(聖心女子大学 日本語日本文学科 准教授) |
第1弾の初日は「会話が上手い」というのはどのような判断によるものなのか、に注目し、日本人が会話の中で多く使う文法項目とそうでないもの、並びに応答力を鍛える必要について受講者の意見も交えながら、お話していただきました。2日目は具体的に学習初期に必要な文法についての講義でした。支援者が品詞、助詞の知識を整理することによって、学習者の混乱の原因が分かり助言することができ、学習者は会話の中から無理なく学ぶことができるという内容でした。
第2弾「コミュニケーションのための日本語文法2」(2日間コース)
日時: 2015年9月 12日(土) 10:00~12:00 9月 19日(土) 10:00~12:00 講師: 岩田一成氏(聖心女子大学 日本語日本文学科 准教授) |
第2弾では、必要最低限の「です・ます」と助詞を使って話せるようになった学習者に、次のステップとして動詞の活用をどう伝えていくかを取り上げました。動詞のグループ分けと活用ルールを網羅的に教える方法は、論理的体系的に学びたい人には有用でも、応答力(会話力)のアップにはつながりにくいことを統計や論文を基に説明していただきました。会話力中級の人が使っている文法項目の分析結果から、初級後半テキストの文法の多くは理解するだけで十分であることもわかってきました。教室では、理解文法と使用文法を分けて扱い、活用の一覧表を見せて、どの動詞と同じ仲間であるかを伝えるだけで対話を進めていく方法の提案がありました。受講者からは「ボランティア教室で文法を教える意味について考えさせられた」「教科書の文法ではなく、生きた文法を学べた」などの感想が寄せられました。

岩田氏の講義風景

受講者による模擬教室活動風景
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